【カレー名店紹介】町田『リッチなカレーの店　アサノ』　心に刻まれるカツカレー　時空を超越した懐かしい味

町田にあるカツカレーの名店『アサノ』　ここは町田近隣在住のグルメな人ならば大抵の人は知っているお店です

カレーファンだけでなく、地域を代表する「街のグルメ」としてメディアにも定期的に取り上げられるお店なのですが、今年でなんと創業32年目！

昭和末期にオープンし平成の時代を生き抜いたこのお店は、今でも色濃く昭和の香りを残したエリアに、今もなおその姿を留めているのです

「リッチなカツカレー」というネーミングや店構えは　当時でも既にかなり古臭く感じたものですが、今も全て当時のまま　平成ひとケタというよりは昭和50年代のテイストですよ、ここは！

当カレーニュース編集長も25年ほど前このお店に通った時期がありました　

時は過ぎ、一緒にお店に通った家族が亡くなったこともあり　このお店からは足が遠のいていました　

実にお店を訪問するのは20年ぶり　本日は町田の「リッチなカレーの店　アサノ」をレポートいたします

【リッチなカレーの店　アサノ　リッチなカツカレー】

JR町田駅の北口のペデストリアンデッキから東急ツインズの間を降りていきます　右手にある通りがターミナルロード商店街

ここは人通りが多く活気のあるエリアです　昔とほとんど変わっていない印象ですね

200メートルほど進んでいくとそこには仲見世商店街の看板が見えてきます　ここの手前の通路が1.5メートルもない細い路地が入口なのです

そこには「リッチなカレーの店」の看板が・・・　まだあるんだ　ここに　

カレーの名店として知られる現在、お店を訪問するファンから話を聞く機会もたくさんあります　また、メディアにも載される情報からも、当時と変わらず営業していることは知っていました

しかし、実際目の前にしてみると、こみあげるものがありますね

メニューは「ポーク」「チキン」「エッグ」「カツカレー」の４種類
当然お目当ては「リッチなカツカレー」一択です

夕方開店の30分前から並んだため、一番にお店に入ることができました　際限なく待つのが嫌だったから当時も一番早く並んだものです

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「遅っそいなあ　いつまで待たせるの　仕事終わって直行して来たんだからね」　カウンターの奥に彼女が座っていました　

「カツカレーでいいんでしょ？」　頷いてオーダーする自分　

「あっ　お姉さん　１つ分だけ辛くしてくださいね　　あなた辛い方が好きだもんね」と彼女

「先月が私の誕生日で　あなたが今月　いつもこんなタイミングの時に来てた気がするね」　

狭い店内に充満するカツを揚げる香ばしい香りと、カラカラという音

香辛料の香りと混じりあって、待っている間に食欲が高まってきます

「でもここ何だか落ち着くよね　子供のころに　よくお父さんと一緒に行った食堂を思い出すなあ　まあ、私が子供の頃っていったら昭和40年代の話だけどね」

確かにここは時間が止まったような場所

平成の世も終わろうという今　こんな場所がまだあるなんて

『お待たせしました』　カツカレーが運ばれてきました　

高座豚を使った贅沢でリッチなカツカレーです　蛍光灯の明かりを受けて浮き上がるように輝いています

ソースはサラサラで小麦粉のねっとりした感じはありません　プレートを少し傾けると皿のフチにカレーソースが沁みるほどシャバシャバなんです

スプーンで掬って口に運びます　タマネギと人参からとったソースに、カレー粉の強い風味を感じます　辛みが強いわけでなないのに、香辛料を強く感じるのです

更には　ブラックペッパーとカルダモン　そしてオールスパイスの風味　そしてガラムマサラの香り　

４日かけて作るソースはスパイスを入れても香りが飛んでしまうため、途中でスパイスの追加を重ねて薬膳感のあるこの独特のソースが完成するのです

牛骨や鶏ガラ、香味野菜を長時間煮込んでつくるブイヨンも絶対的なうま味を湛えています

重層的なスパイス感とピリピリとした刺激に濃縮した野菜の甘さが作り出すテイスト　このソースはノドを鳴らして飲めますね！　

揚げたてのカツは衣が薄く肉に密着したパリパリのタイプ　衣の厚いザクザクしたカツとは全くの別物です

カツカレーなのに重さは全くなく、サクッと食べることができるのです　

純粋にカツ本来の美味しさを楽しめるロースカツ　高座豚と言えば神奈川県ではよく知られたブランド豚です

肉のキメが細かく　どこをとっても均一に揃った歯ごたえ　そしてスパイシーなカレーと一緒に食べても味覚で負けない旨味と甘さ

カレーソースと合わせていただくと　何て美味しいんだろう！　そしてこの味　懐かしすぎます　

カツカレーの美味しさの１つの頂点がここにある気がします　

昔は味の事なんてわからなかったなあ　味覚を文章にすることなんてどうでもよかった　ただガーッと食べるだけ

カレーの食べ歩きなんてしていなかった頃に食べていたカレーが、絶品カレーだったんだと今になって感じます

気が付くとリッチなカツカレーに夢中になっていました　

お互いに言葉もなく食べ続けていきます　美味しいものほど早食いになるところも　自分たちは似ていました

先に完食した彼女が「やっぱりこの味だよね　ずいぶん久しぶりだけど　来てよかったね」と笑っています　

「美味しいもの食べられて本当に幸せ　ごちそうさま　今日はありがとね」　彼女の目に光るものがありました　え・・　泣いてるの？

そうだね　確かに相当久しぶりだけど、一緒に食事できてよかった　

――　いったい　どのくらい久しぶり、なんだろうか？

なぜか胸が苦しくなってきます　呼吸がうまくできない　徐々に視界が霞んできます

フッと　ここはどこなんだろうか　今は何年なんだろうか　自分は何歳なんだろうか　

そんなことが頭をよぎり一瞬目の前が暗くなりました

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「お水はいかがですか？」女性スタッフさんの声で我に返りました　

気が付くと天井を見ていました　

そうだ自分は一人でここに来たんだった　

そして、今日２０年ぶりにこのお店に来たことを思い出します　

昔の自分にシンクロしていた私　気が付くと一番奥のカウンターでカツカレーを食べている自分　

そばに彼女の姿はありません

彼女が好きだったカツカレーが幻を見せてくれたのでしょうか　こんなことがあるのでしょうか

不思議な体験でした　美味しいという味覚が・・・　昔の幸せな記憶を呼び覚ますのかも知れません　

ここのカツカレーにはそんな強いパワーを感じます

マスターに20年ぶりにお店に来たこと、カレーを昔と変わらず美味しくいただいたことを伝えると、満面の笑顔で喜んでくれました　

このお店には、はるか昔に来ていたお客さんが、タイムトラベラーのようにやってくることが、良くあるんだとか

また、残念ながら先代は３年前に亡くなってしまったとのこと　当時でもかなりのご高齢だったと記憶しています　時の流れは速いですね

しかし息子さんの代になっても　ここで提供されるカツカレーは変わらず　来店する人々を魅了し続けています

家族や大切な人と来て、温かい想い出を持っているファンの方も多いことでしょう

カレーファンの皆さん

町田の「リッチなカレーの店　アサノ」　

ここには懐かしい平成初期の風が吹いています　昔の自分と出会えるかもしれませんよ

以前に訪問したことのある人も、そうでない人も　

ぜひぜひ「リッチなカツカレー」を食べに　訪問してみてくださいませ

　
【リッチなカレーの店　アサノ】

場所：東京都町田市原町田4-5-19 町田仲見世飲食街
交通：JR町田駅歩3分、小田急町田駅歩5分
営業：11:30～14:30　17:00～20:00　水木休

食べログ　https://tabelog.com/tokyo/A1327/A132701/13006035/

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