ご当地カレーで全国知名度№1の『よこすか海軍カレー』の名店「魚藍亭」が8月末で閉店すると発表し、地元カレーファンの間で悲しみの声があがっています
この店舗は、1999年(平成11年)に、横須賀市が「海軍カレー」というブランド名で、カレーによる町興し事業をスタートした際にモデルとなるレシピを考案し、1号店として認定されたお店です
明治時代に日本海軍で食べられていたカレーを現代にに再現し、「ご当地カレー」ブームを作り出した上で、19年間も中心となる人気店として活躍した歴史あるお店なのです
当初市内15店舗でスタートした「海軍カレー」加盟店は、現在80店以上を数えるようになったとはいえ、精神的支柱となる名店が閉店となるインパクトは大きく、地元・横須賀市では悲しみの声が広がっています
閉店の原因は、経営者の方が亡くなられ建物も老朽化していること等があるようです カレーは現在でも圧倒的支持を得ているだけに、残念で仕方がありません
【魚藍亭の海軍カレー】
この店舗の海軍カレーは、明治末期に日本海軍が発行したレシピ本『海軍割烹術参考書』のカレイライスの作り方を忠実に再現しています
具材は「玉ねぎ にんじん 馬鈴薯 牛肉 小麦粉 カレー粉」 何と現代の家カレーの原型となるビジュアルが当時完成していたのですね
カレー粉は当時流通していたC&B社のカレー粉を使っています 業務用2キロ缶を週に1.5缶も消費するほど人気のカレーは、小麦粉を炒って牛脂とあわせて手作業で丁寧に作られます
一度作ったカレーのベースはスープと合わせる前に1から2日冷蔵庫で寝かして保存します この寝かせの作業は開店当時から変わらない製法ですが、人気店である同店の冷蔵庫は常に翌日以降に提供するストックがあふれています
ボテッとして粘土の高いルーには、形がなくなるまで煮込まれた牛スジ肉が絡み、一体となって味のベースを作り出しています
現代のカレーライスのように圧倒的な旨味やコクが盛られているわけではありません
少ない材料で手間をかけて作られるこのカレーは、日本のカレーライスの原点の味 ということができるでしょう
はじめて食べても誰もが懐かしく感じるこのカレー ただ静かに「美味しい」と思えるカレーです こんなカレーが他のどこにあるでしょうか
40店舗以上ある海軍カレー店の中で一番人気だったのも、開店当時から、明治時代のカレーの再現力の高さと、ブレずに手間のかかる製法を貫いていることが支持されてのこと
「ご当地カレー」はその土地の食材や作り方に徹底してこだわることにこそ、存在意義があります
ただ美味しいだけでなく、ここにしかないオンリーワンの味
歴史の火を灯し続けた名作カレー ぜひ提供されている間に、カレーファンの皆さんに食べていただきたい 心からそう思います
提供は8月31日まで 皆さん夏休みの時期には、ぜひ横須賀の名店カレーを味わってくださいませ
【魚藍亭 よこすか海軍カレー館 店舗情報】
場所 横須賀市緑ヶ丘29
時間 11:30~20:00 (15:30~16:30休)
※月曜定休
京浜急行線 横須賀中央駅・汐入駅徒歩8分 ※品川より50分
魚藍亭 https://tabelog.com/kanagawa/A1406/A140601/14011380/
HP(内容古いです) http://www.gyorantei.com/curry/yokosuka/
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