間借りカレーがここ2~3年ほど首都圏で大きなブームとなっています
カレー店で修行をしてきて自分の店を持ちたい人がトライアルでチャレンジしたい、趣味で磨いてきたカレーの調理を腕を披露したい、など間借りカレーを行う店主の方々の動機は様々です
店主の性別・年齢・経歴も色々、提供されるカレーも多種多様 だからこそ面白いという面もあるわけですが、現役の学生さんがチャレンジするというケースは多くはないのではないでしょうか
当ニュース編集部では、高円寺で現役女子大生が間借り店主をしているという情報をキャッチ さっそく取材で訪問しました
高円寺駅から徒歩5分程度の場所にある「カレーショップ豆くじら」は間借り専門のカレー店
1週間のタイムスケジュールが組まれており、様々な店主がここでカレーを振舞います
こんなお店があること自体が、現代の間借りカレー文化を象徴していると言えますよね
本日はここで提供されている「いよちゃん」のカレーをレポートさせていただきます
【カレーショップ豆くじら いよちゃんのカレー】
「いよちゃん」がカレーを提供するのは原則的に土曜日の夕方から 15時過ぎからカレーの仕込みに入り3種類のカレーを作ります
17時から開店し、毎回20名程度のお客さんがやってくるとのこと 今回は仕込みの時間から訪問しました
「いよちゃん」は大学の1年生で、カレー専門のサークルに所属しています ここで日々カレーを研究し、美味しいカレー作るための技術を磨いているのです
得意分野はスパイスから作るオリジナルカレーです カレーのレシピも多数開発しています
豆くじらさんとの関わりは、お店のコンセプトの面白さに惹かれて無償で手伝いを続けるうちに、間借りの店主になったとのこと
いやあ、展開が早すぎまよね 今書いたことはほぼここ10か月間の間に起ったことなのです
大学にカレー専門のサークルがあるのも驚きですし、カレーをスタートしてすぐに間借り店主って・・・
編集長の中にある「カレーの常識」が一気に音を立てて崩れていきます ITの進化についていけないオジさんになってしまったような感覚です
彼女は仕込み作業を続けながら自身のカレー観について語ってくれました
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「インドに行ってカレーに目覚めたとか、そういうのはないんですけど、とにかくカレーが好きで高校生のころからずっと作ってきたんです」
ホールスパイスとパウダースパイスを手際よくブレンドして用意してきた具材とあわせていきます 3種類のカレーを同時進行で進めていきます
「インドカリー子ちゃんが活躍するのを目にしていて、これなら私にも出来るって思ったんです だから日々自分で研究を続けていきたいんです」
玉ねぎを炒めながら、冷凍してきた具材に火を入れながら 食材に真っすぐな瞳を向けながらそう語ってくれました
「カレーの香りって最高ですよね 美味しく作れた時が本当に幸せっだって感じちゃいます」
生のカレーリーフもちゃんと準備されています テンパリングをしながら、カレーの香りがブワッと広がる瞬間にそんな言葉を放つなんて素敵すぎますね
「自宅は埼玉なんですけど、地元も大好きなんで 深谷ネギとかを食材に使ってご当地カレーなんかも作ってみたいなと思ってるんです あ、北本トマトカレーなんかもいいですよね~」
スパイスカレーだけじゃなくて、日本カレーにも関心があるというところも素敵ですよね
こんな話をしている間に、あっという間に3種のカレーが完成
マルチタスクという言葉が浮かびます 段取りを考え同時に多数の作業をこなし、問い合わせの電話に対応しながら、編集長の問いかけにも答える
これで実質1時間ちょっとで3つのカレーですよ この手際よさ、タダモノではありません
おススメの3種盛りをオーダーしましたが出てきたのは、「お米のカレー」「和ダシのチキンカレー」「大根とダルのカレー」の3種
カレー皿からはカレーリーフとホールスパイスのいい香りが漂います ビジュアル的にもかなり食欲をそそる出来栄えです
「お米のカレー」は、スパイス感あふれるカレーソースにライスを溶け込ませたカレー 旨味がのった豚バラ肉のトッピングがあり食べ応えも十分
トロットロのソースにクミンとコリアンダーのホール 噛みつぶしながらその食感を楽しむカレーに仕上がっています カレーリーフもよく香ります
お米をソースに投入して作るというオリジナリティーは驚きです こんなカレーがお店で出てくるとは!
和ダシのチキンカレーは、徹底的にネギの甘さを追及したカレーソースが特徴です クミンとコリアンダーの風味がソースに染みわたり鶏の美味さが際立ちます 甘いそして旨い
大根とダルのカレーは、レンズ豆と大根を使った植物の素材の優しさを生かしたサラサラのカレーです
辛みは少ないものの、マスタードシードの淡くはじける刺激とカレーリーフの香り そしてベースのスパイスをじっくり味わえるソース
こんな3種類のカレーを作る「いよちゃん」 このカレーを作るのが18歳の女子大生だなんて・・・ 信じられませんが これは現実なのです
間借りカレーは多数訪問している当ニュース編集長ですが、数ある間借りカレーの中にあってもアベレージ以上のクオリティーを確保しながら、オリジナリティーのある作品に仕上がっていると断言できます
また、彼女のコミュニケーション能力の高さにも驚かされました とにかくよく喋り、笑う そして笑顔がキュートなんです
提供の際に「おいしくな~れ」といってブラックペッパーをプレートに落として魔法をかけてくれるパフォーマンスにも魅了されました 可愛いすぎるじゃ、ないですか!
将来は「カレーを通して人を喜ばせる仕事がしたい」と語る「いよちゃん」は18歳
彼女のカレー活動はまだ、はじまったばかりです これからどんなカレー人に成長していくのか本当に楽しみです
インドカリー子さんに続くカレー女子「いよちゃん」 今後もその活動をレポートしていきたいと思います
ぜひ高円寺の「カレーショップ豆くじら」 訪問してみてくださいませ!
【編集長の雑感】
カレーに限らずITの普及によりあらゆる業界でプロとアマチュアの境界があいまいになっている現代 誰でもどんな分野でもセミプロとして活動できる時代になったんだな、と感じます
一定の技術を習得するのに必要なことは、「熱意」と自分から動いて獲得する「経験」ということ
長年カレー屋さんで修行しなくても、飲食店経験がなくてもお店としてブレイクする人が出てくる時代です 大事なのはベースになる調理技術とプロモーションなのかなと感じる部分もあります
ここまで間借りカレー文化が進むと、ただ「間借り」というだけでは全く注目されない時代が来ていると感じます
「スパイスカレー」というコンセプトも日本のルウカレーに対してのもので、ここまで普及が進むと「スパイスカレー」だからと言ってありがたがる時代は、そろそろ終焉を迎えるのではないかと考えます
「スパイス」から作るカレーが当たり前になり、その一歩先をいくカレーが生み出される 料理としての完成度で勝負する時代になるわけです
もともとインドカレーはスパイスから作るのが基本 スパイスからカレーを作るのが当たり前なのです
また、カレー業界だけでなく他の分野の飲食業界の関係者も、そろそろ気付きはじめているのです 「スパイスを使った料理はウケる」ということに
カフェの経営者、居酒屋・バーの経営者が注目のメニューとして、どんどんスパイスから作るカレーに着目して、メニューを提供する時代になっています
よくよく考えたら「スパイスカレーを作ることって、意外と簡単 自分でも出来るじゃない」と感じる人や経営者が多いのです
だからこれからは、ジャンル・業態の垣根を超えた「スパイスカレー大競争時代」が到来すると感じるのです
今日は真面目なことを書いてしまいましたが、カレーニュース編集部は、トレンド的な動きも今後どんどん紹介していきたいと思っています
みなさんいつも ありがとうございます
【カレーショップ豆くじら】
場所:東京都中野区大和町1-31-4
交通:高円寺駅北口 歩6分
営業:12:00~20:30 (変動あり 詳しくはHP等でご確認ください)
※毎日間借りする店舗が変わるお店です 月間スケジュールを確認の上、訪問してみてくださいね
ちなみに「いよちゃん」のカレーは毎週土曜日の夕方から提供予定です
カレーショップ豆くじら https://mamekujira.gorp.jp/
カレーショップ豆くじら(食べログ) https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13196947/
いよちゃん(ツイッター) https://twitter.com/curryHaRU211
いよちゃん(ブログ) http://iyochancurry.blog.jp/
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